「LINE公式アカウントって聞いたことはあるけど、どう使えばいいかわからない」「うちの会社でも導入すべきかな?」そうお考えの中小企業の社長さんやマーケティング担当者の方、多いのではないでしょうか。
日本の人口の約7割以上が利用しているLINE。もはや「生活のインフラ」ともいえるこのツールを、ビジネスに活用しない手はありません。しかし、ただアカウントを作るだけでは効果は出ません。メリット・デメリットをしっかり理解し、自社のビジネスに合った使い方をすることが重要です。
この記事では、LINE公式アカウントの活用を考えているすべての方に向けて、そのメリットからデメリット、そして具体的な活用方法までを、初心者にもわかりやすく解説します。
目次
第1章:LINE公式アカウントを活用するメリット12選

LINE公式アカウントの最大の魅力は、顧客との距離をぐっと縮められることです。ここでは、具体的なメリットを12個ご紹介します。
- 圧倒的なリーチ力と高いアクティブ率
日本の月間アクティブユーザー数は9,600万人以上(2023年6月末時点)と、国民のほとんどが利用していると言っても過言ではありません。この巨大なプラットフォームに無料でアクセスできることは、他のSNSやメールマガジンにはない最大の利点です。また、LINEはユーザーが日常的に家族や友人とのやり取りに使うため、他のSNSよりも高い頻度でアプリを開く傾向にあります。これにより、メッセージが埋もれてしまう可能性が低く、より多くのユーザーに情報を届けられます。 - 高い開封率と即時性
メールマガジンと比べて、LINEのメッセージは通知が届きやすく、ユーザーがすぐに確認する傾向にあるため、圧倒的に開封率が高いのが特徴です。新商品の発売やキャンペーン情報など、今すぐ知ってほしい情報をリアルタイムで伝えたい場合に非常に有効です。プッシュ通知が届くことで、ユーザーの行動を促すトリガーにもなります。 - 顧客との双方向コミュニケーション
1対1のトーク機能を使えば、顧客からの問い合わせに個別に対応できます。一般的なFAQの自動応答だけでなく、個別の相談や予約受付にも活用することで、顧客一人ひとりに寄り添った丁寧なサポートを実現します。これにより、顧客との関係性を深め、単なる情報発信ツールではない、信頼を築くことができる貴重な場となります。 - リッチメッセージで視覚的にアピール
画像や動画、テキストを一つの吹き出しにまとめて表示できるリッチメッセージは、通常のテキストメッセージよりも強いインパクトを与え、訴求力を高めます。新商品の写真や店舗の雰囲気を伝える動画を組み合わせることで、ユーザーの興味関心を惹きつけ、クリック率の向上にも繋がります。 - 友だち追加のハードルが低い
QRコードやURLを店頭のPOP、チラシ、ウェブサイトに設置するだけで、簡単に友だちになってもらえます。メールアドレスの入力や会員登録といった手間がないため、ユーザーは気軽に友だち追加できます。この手軽さが、顧客との接点を増やす最初のハードルを大きく下げてくれます。 - セグメント配信で効果アップ
友だちの性別、年齢、居住地、友だち追加経路など、あらかじめ設定された情報に基づいてターゲットを絞り込み、それぞれに合わせたメッセージを配信できます。例えば、20代女性向けにはコスメのクーポンを、50代男性向けには健康食品の情報を送るなど、パーソナライズされた情報を提供することで、メッセージが「自分向けの情報」と認識され、コンバージョン率を向上させます。 - 自動応答機能で業務効率化
よくある質問への回答をあらかじめ設定しておくことで、ユーザーからの問い合わせに24時間365日自動で対応できます。これにより、カスタマーサポートの負担を大幅に削減し、スタッフはより複雑な問い合わせやコア業務に集中することができます。 - クーポン・ショップカード機能でリピーター獲得
紙のクーポンやスタンプカードをデジタル化することで、顧客は財布がかさばることもなく、手軽に利用できます。クーポンは友だち限定で配信することで特別感を演出し、利用を促進します。ショップカードはスタンプが貯まるごとに特典を用意することで、来店や購入の動機づけとなり、顧客の囲い込みにつながります。 - 分析機能で改善点を把握
メッセージの配信数、開封率、クリック数、友だちの増減などを詳細に分析できます。どのメッセージがユーザーに響いたのか、どのコンテンツがクリックされやすいのかといったデータを把握することで、今後の配信内容や戦略を改善していくための重要なキーワードを得られます。 - タイムライン投稿で新規顧客にアピール
タイムラインに投稿すれば、友だちになっていないユーザーにも情報が拡散される可能性があります。特に、魅力的な画像や動画を投稿することで、ユーザーがシェアしてくれる可能性が高まり、口コミによる新規顧客の獲得が期待できます。 - リッチメニューで顧客を誘導
トーク画面下部に常時表示されるリッチメニューは、まるでミニホームページのような役割を果たします。ウェブサイトやオンラインストア、予約ページ、クーポンなど、ユーザーを目的のページにスムーズに誘導するのに非常に便利です。タップするだけでアクションに繋がるため、ユーザーエンゲージメントを高める効果があります。 - 無料で始められる
メッセージ配信数に制限はありますが、無料プランから始められるため、コストをかけずにLINE公式アカウントの機能を試すことができます。小規模な店舗や個人事業主でも、気軽に導入できる点が大きなメリットです。
第2章:LINE公式アカウントのデメリットはある?

たくさんのメリットがある一方で、デメリットも理解しておくことが重要です。
- メッセージの通数制限
無料プランやライトプランには、月に配信できるメッセージ数に上限があります。友だちが増えれば増えるほど、メッセージ通数も増えるため、頻繁にメッセージを送りたい場合や友だちが急増した場合は、有料プランへの移行が必要になります。メッセージ数を気にしながら運用しなければならない点が、運用コストに直結するデメリットです。 - ブロックされるリスク
ユーザーは簡単にアカウントをブロックできます。一方的な情報発信や、頻繁すぎるメッセージ配信はブロックの原因になります。ブロックされてしまうと、そのユーザーには二度とメッセージを送ることができなくなるため、せっかく獲得した友だちを失うことになります。配信頻度や内容を工夫し、ユーザーにとって価値のある情報を提供することが重要です。 - 顧客管理が煩雑になることも
LINE公式アカウントの標準機能には、顧客ごとの詳細な情報(購入履歴や問い合わせ内容など)を管理する機能は限定的です。セグメント配信の機能はありますが、より詳細な顧客情報を管理したり、複雑なシナリオ配信をしようとすると、標準機能だけでは限界があります。個別の顧客に合わせたきめ細やかなアプローチをしたい場合、別のツールとの連携が必要になる可能性があります。
第3章:LINE公式アカウントの料金プラン

LINE公式アカウントには、無料の「フリープラン」と、メッセージ配信数に応じて料金が変わる「ライトプラン」「スタンダードプラン」があります。
プラン | 月額料金(税別) | 無料メッセージ通数 | 追加メッセージ料金 |
フリープラン | 0円 | 200通 | – |
ライトプラン | 5,000円 | 5,000通 | – |
スタンダードプラン | 15,000円 | 30,000通 | 1通あたり最大3円 |
※料金プランは2025年9月時点のものです。最新の情報は公式サイトでご確認ください。プランを検討する際は、現在の友だち数や今後想定されるメッセージ配信数を考慮し、自社の予算と目標に合ったものを選ぶことが大切です。特に、友だち数が少ないうちはフリープランから始め、徐々に拡大していくのが賢明な選択と言えるでしょう。
第4章:LINE公式にLステップを導入するメリット

LINE公式アカウントの標準機能だけでは物足りなさを感じる場合、Lステップのような外部ツールを導入することで、さらに活用の幅が広がります。
Lステップは、LINE公式アカウントの機能を拡張し、顧客管理や自動化、マーケティングの最適化を実現するツールです。
- 詳細な顧客情報の一元管理
アンケート機能などを活用し、顧客の興味関心や購入履歴などをタグ付けして管理できます。これにより、より精度の高いセグメント配信が可能になります。 - シナリオ配信で顧客を育成
友だち追加してからの日数や、特定のメッセージを読んだかどうかなど、ユーザーの行動に合わせて自動でメッセージを配信する「シナリオ配信」を設定できます。これにより、顧客を教育し、購買意欲を高めることができます。 - 個別のステップメールのような配信
登録された顧客ごとに、自動でステップメールのようにメッセージを配信することが可能です。これにより、一人ひとりに合わせた丁寧なアプローチが実現します。 - 顧客対応の完全自動化
キーワード応答や質問への自動返信など、さらにきめ細やかな自動応答設定が可能です。
まとめ
LINE公式アカウントは、企業と顧客の新しい関係性を築くための強力なツールです。まずは無料プランから始めて、顧客とのコミュニケーションを密にすることから始めてみませんか?
そして、友だちが増え、より高度な顧客管理や自動化を目指したくなったら、Lステップのような外部ツールの導入を検討してみてください。
顧客エンゲージメントを高め、ビジネスを成長させるための第一歩として、ぜひ今日からLINE公式アカウントの活用を始めてみましょう。
今回の記事で紹介した内容が、あなたのビジネスのヒントになれば幸いです。