目次
はじめに
Lステップを活用したショップカード機能は、単純なポイントカードを超えた顧客関係構築ツールとして注目を集めています。本記事では、基本的な実装方法から業種別の応用テクニック、そしてROI最大化の戦略まで、実践的なノウハウを解説します。
従来のLINE公式アカウントのショップカード機能と比較して、Lステップならではの高い自由度とデータ活用力を最大限に活かし、ビジネス成果を120%向上させる方法をお伝えします。

Lステップショップカードの圧倒的メリット
Lステップで構築するショップカードは、LINE公式アカウントの標準機能を大きく上回る価値を提供します。最大の特徴は、デザインの完全自由度にあります。ブランドイメージに完全一致したカスタムデザインにより、高級サロンから親しみやすい商店まで、どんな業種でも違和感のない顧客体験を創出できます。

最も注目すべきは、Lステップのデータ活用力の高さです。顧客一人ひとりの利用パターンを完全に把握し、行動予測に基づいた精密なマーケティング施策を展開できます。例えば、3ヶ月以上利用していない休眠顧客に自動でアプローチメッセージを送信したり、利用頻度の高いロイヤルカスタマーに特別な限定特典を提供したりといった、きめ細かい顧客管理が実現します。
戦略的実装の基本設計
成功するショップカードの構築には、まず戦略的な設計が不可欠です。顧客ジャーニーを明確に定義し、各段階での最適な体験設計を行います。
顧客ジャーニーマッピング
初回来店 → ポイント獲得 → 特典利用 → リピート促進 → ロイヤルカスタマー化
1) 初回来店(友だち化・カード発行)
来店時にLINE友だち追加とショップカード発行をその場で完了させる。
初回ポイントやウェルカム特典で登録を後押しする。
2) ポイント獲得(習慣化)
来店ごとに確実にポイントを貯めてもらい、来店習慣を形成する。
ボーナスポイントや回数達成特典で継続利用を促進する。
3) 特典利用(体験の質向上)
貯まったポイントを特典に交換し、満足度を高める。
利用期限や在庫に合わせた案内で体験価値を最大化する。
4) リピート促進(頻度×単価UP)
新商品情報や季節フェアで再来店を促す。
好みに合わせた提案やクーポンで客単価アップを狙う。
5) ロイヤル化(LTV最大化・紹介)
VIP顧客を育て、長期的な関係と高LTVを実現する。
限定特典や紹介制度でファン層を広げる。

推奨友だち情報欄項目
友だち情報欄の設定では、基本的な項目に加えて分析用データも同時に収集することが重要です。これらの情報により、新規顧客の定着率分析や顧客の生涯価値(LTV)算出が可能になります。
基本項目:
- ショップカードのポイント数(必須)
- ショップカードの枚数
- ショップカードの最終更新日

分析強化項目:
- 初回ポイント獲得日(定着率分析用)
- 累計ポイント獲得数(LTV算出用)
- 来店頻度カテゴリ(セグメンテーション用)
特典設計においては、段階的な価値提供により顧客の継続利用を促進します。即時特典で再来店の心理的ハードルを下げ、中間特典で継続的な来店動機を維持し、完走特典で大きな達成感を提供する設計が効果的です。
美容・サロン業界
美容業界では、季節やトレンドに連動した特典設計が効果的です。顧客の美容サイクルに合わせた価値提供により、継続的な関係構築を実現できます。
特典設計例:
- 1ポイント: トリートメント無料サービス
- 3ポイント: 次回予約時の指名料無料
- 5ポイント: 新作スタイリング体験
- 10ポイント: VIPコース30%OFF + 専用時間予約権
飲食業界
飲食店の場合は、「再来店促進」と「客単価アップ」を同時に狙えるポイント設計が効果的です。
ポイント獲得条件を「来店」だけでなく、「特定メニュー注文」や「友人紹介」などにも設定すると、より売上に直結します。また、季節メニューや限定イベントと組み合わせることで、特典への期待感を高め、来店頻度を上げられます。
1ポイント:ドリンク1杯無料(ソフトドリンク)
→ 初回〜低ポイント帯で達成感を与え、継続利用のきっかけに。
3ポイント:季節限定メニュー1品プレゼント
→ 旬の商品や新メニューの体験を促し、話題性・SNS拡散にもつながる。
7ポイント:ペアで使える10%OFFクーポン
→ 同伴利用を促し、新規顧客獲得と客単価アップを両立。
10ポイント:年間VIPパス(毎回ドリンク1杯無料 or デザートサービス)
→ 最上位特典は「特別感」と「長期利用意欲」を高め、常連化を促進
コンサルティング・教育業界
教育分野では、学習進捗や成果達成と連動したポイント付与により、継続学習のモチベーション向上を図れます。
特典設計例:
- 1ポイント: 追加教材プレゼント
- 3ポイント: グループコンサル参加権
- 5ポイント: 1on1セッション30分無料
- 10ポイント: 上級コース特別価格 + 修了証発行
データ活用と分析戦略
Lステップショップカードの真価は、蓄積されたデータの戦略的活用にあります。適切なKPIの設定と継続的なモニタリングにより、運用の最適化を図ることが重要です。
主要KPI指標
- ポイント付与率: QRコード読み取り成功率
- 特典利用率: 各段階での特典活用状況
- 完走率: 10ポイント到達率
- リピート率: ショップカード利用者のリピート頻度
- LTV向上率: 利用前後の顧客価値変化
これらの指標を定期的に分析することで、どの段階でユーザーが離脱しているか、どの特典が最も効果的かを把握できます。データに基づいた改善により、継続的な成果向上を実現します。
自動化シナリオの構築
効率的な運用のためには、適切な自動化シナリオの構築が欠かせません。顧客の行動パターンに応じた自動的なアプローチにより、運用工数を削減しながら効果を最大化できます。
基本自動化シナリオ:
- 休眠リスクユーザー検知 → 復帰促進メッセージ
- 特典期限切れ前 → リマインドメッセージ
- 誕生日月 → バースデー特別ポイント付与
ROI最大化のための最適化戦略
ショップカードシステムの投資対効果を最大化するためには、明確なROI計算とPDCAサイクルに基づいた継続改善が重要です。
ROI計算の基本式
ROI = (ショップカード起因の売上増加 – システム投資・運用コスト) / システム投資・運用コスト × 100
実例:
月間売上増加: 50万円
月間運用コスト: 5万円(システム利用料込み)
ROI = (50万 – 5万) / 5万 × 100 = 900%
この計算により、ショップカード施策の具体的な投資効果を数値化し、継続的な改善の指針とすることができます。
Lステップのショップカード 作成ステップ
ステップ1|デザイン素材を作る
まずはリッチメニューとショップカードの画像を用意する。
今回の仕様例では、ショップカードボタンをタップするとリッチメニューが切り替わり、カードが表示される形式を採用。
ポイント
- QRコードリーダーの起動方法が分からない利用者も多いため、ショップカード画面にQR起動ボタンを設置すると親切。
- 0〜10ポイントまでの「ポイント押し画像」を個別に作成する必要がある。
- Canvaを活用すれば無料で簡単にデザイン可能。
ステップ2|特典画像またはテキスト作成
特典は画像付きでもテキストのみでも設定可能。画像があると視覚的に伝わりやすく、利用率も向上する。
ステップ3|友だち情報欄の設定
新たに作成する友だち情報欄は以下3つがおすすめ。
- ショップカードのポイント数(必須)
- ショップカードの枚数
- ショップカードの最終更新日
応用例
- 「枚数」:カードが3枚目に達したユーザーにVIP特典を付与
- 「最終更新日」:3ヶ月来店していないユーザーに再来店クーポン送付
ステップ4|特典カルーセルの作成
- テンプレートから「カルーセル作成」を選択
- 各特典(5%OFF、10%OFF…)ごとにテンプレート名・画像・本文・選択肢・アクションを設定
- 10ポイント到達特典には以下を追加設定
- ポイント数を0にリセット(利用後の再スタート用)
- 枚数を1加算(何周目かを記録)

画像引用元:Lステップ公式ブログ
ステップ5|流入経路分析でポイント加算QRを作る
- 流入経路分析>新しい流入経路を作成
- アクション設定:
- ポイント数を1加算
- 枚数を1代入(初回のみ)
- 最終更新日に[date format=Ymd]を代入
- ポイント到達条件ごとに特典カルーセル送信(1・2・5・10ポイント)
- 完了後、QRコードを印刷して店頭設置



画像引用元:Lステップ公式ブログ
ステップ6|リッチメニュー設定
- 0〜10ポイントまでのショップカードを個別に登録
- タップエリアを手動設定し、ポイント数に応じて表示切替
- ボタン3:ショップカード切替
- ボタン6:QRコードリーダー起動


なお今回のショップカードは、タップエリアを手動で指定する必要があります。
タップエリアを作ると、タップエリアに対するボタン操作設定ができるようになるので、アクション>アクション管理>メニュー操作>先ほど登録したTOPを選択します。

本設定により、ショップカード画面からTOPへの切り替えができるようになります。
同様の手順でその他ショップカードを登録したら、TOPの編集画面に戻り、以下のボタン操作を設定します。
- ボタン3に、メニュー変更
- ボタン6に、QRリーダーの起動
- ポイント数0のユーザーには、ポイント0のショップカードを表示
- ポイント数1のユーザーには、ポイント1のショップカードを表示
- ポイント数2のユーザーには、ポイント2のショップカードを表示
上記の要領で、10ポイント分まで登録すればOKです。
継続改善のためのPDCAサイクル
成功するショップカード運用には、定期的な見直しと改善が不可欠です。月次でのKPI確認と四半期でのシステム見直しにより、常に最適化された状態を維持します。
Plan: KPI目標設定・改善仮説立案・A/Bテスト計画 Do: 設定変更実装・新機能テスト運用・データ収集
Check: KPI達成度確認・ユーザー行動分析・課題特定 Action: 成功パターン横展開・失敗要因除去・次期改善計画策定
まとめ
本記事で紹介したように、LINE公式アカウントのショップカードは「手軽さ」が魅力であり、Lステップのショップカードは「自由度と活用幅」が圧倒的に広いです。どちらも目的に応じた活用が可能だが、実際に成果を出すには、設計段階から顧客動線・特典設計・データ活用の戦略を明確にする必要があります。